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佐久間「大丈夫だから。話してみ?ん?」
「あ、のね、その。この前バイト先のカフェに、あの…………大介くんの彼女さん、だと思う人がきて」
佐久間「……サキ?」
「うん、、だと思うんだけど、その、あの、男の人と腕組んでて、あの、ちょっとそれが、その……」
佐久間「………もしかして距離近かった感じ、とか?」
「あっ、でも、私の見間違えかもしれないしっ!前一度会っただけだから、その違う可能性も高いと言うか、えっと、、うん……」
つまり、Aは自分のバイト先にサキと男がきて、浮気してるんじゃないか、みたいなことを思ったってことか。
……………なんだ、そんなことか、、
佐久間「そのとき阿部ちゃん、いた?」
「あ、いた、けど……」
佐久間「そか。話してくれてあんがと。Aが気にすることないから。俺は全然大丈夫」
「あ、いやでも、、ごめんね、こんな話、、」
本当にAに何かあったとかじゃなくてよかった。
心の底からそう思うほど、俺はもうサキに何の感情もないらしい。
俺に気を遣って言い出せなかったんだな。
優しいAの心に触れ、仮にも彼女が浮気してるかもという疑惑が上がったのにも関わらず、心があたたかくなるような気持ちがした。
まだ俺を気にして苦しそうな表情のAを気にしつつ、スマホを取り出しある人に電話をかけた。
佐久間「……………もっしー!阿部ちゃん?今いー?」
阿部「なに佐久間、電話でもうるさいな」
佐久間「にゃは!!阿部ちゃん相変わらずSだなー!…………それよりさっ、聞きたいことがあって」
阿部「ん?」
佐久間「サキと男がカフェでイチャコラしてたってほんと?」
阿部「……え??」
佐久間「Aが言ってた」
俺の言葉を聞いて泣きそうな顔をしているA。
別にお前はなんも悪くない。その意味を込めて、優しく頭を撫でた。
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作者名:ねこ | 作成日時:2024年3月28日 14時