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「お待たせ致しました。オペレーターです。」
「ありがとうございます。」
「私が父を嫌いになった理由なのですが、」
そう言葉を紡げば、彼はハッとした表情になる。
さっき私を呼び止めたのは、きっとこれが聞きたかったからだろう。
彼になら話してもいいと思えた。
なんとなく、お父さんが私の話をあれこれとしてしまうのがわかった気がした。
「もしかしたらご存知かもしれませんが、両親は離婚しています。」
彼は何度か小さく頷く。
「私が中学生の頃のことです。両親は仲が良くて、だからこそなんで?っていう気持ちでいっぱいでした。あの人と別々になってしばらく経ったある日、女性と2人で仲睦まじく歩いている姿を見て…母と私を裏切ったんだと、悲しみが憎しみに変わったんです。」
「なるほど、」
「あの人は母のことが大好きでした。両親を見て、いつか私もいつかこんな風になりたいと憧れていました。だから本当にショックで…。」
「それはたしかにショックですよね。Aさんも淳さんのことが大好きだからこそ。」
「…はい。」
「でもおかしいな…。」
彼は唸りながら腕組みをする。
「奥様と別れてからは誰ともお付き合いしていないと伺ってましたので。」
「え、」
「仮にそれが嘘だとして、僕に嘘つく必要って…ありますかね?」
「ない、と思います。」
「ですよねぇ。」
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涼-suzu-(プロフ) - 蓮和さん» ありがとうございます。みやだてくんはやっぱりバブめですよね。笑 共感していただける方がいて嬉しいです。次回もよろしくお願い致します(՞ ܸ. .ܸ՞)" (4月2日 16時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
蓮和(プロフ) - 完結おめでとうございます!垢は違いますが毎度コメントさせていただいてますバケモノです。素敵な作品をありがとうございました!!宮舘さんとの恋ってやっぱりいいですよね(?)私も宮舘さんは結構バブい域にいると思ってますw 第8弾も楽しみです! (4月1日 21時) (レス) @page45 id: 69e5d6eaed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涼-suzu- | 作成日時:2024年3月25日 17時