佐久間さんちは今日も幸せ6

＊ピアス2（いわふか） ページ2

照「何でいきなり不機嫌になってるんだよ(笑)俺、相手が女性なんてひと言も言ってないだろ」


辰「べつに不機嫌になんかなってねーし」


照「嘘つけ、眉間にシワが寄ってんじゃん。心配しなくても彼女でもガールフレンドでもねーから」


辰「じゃあ何だよ。俺にも話せないような人？」


照「違うって。だってお前のことだもん」


辰「................は？」


岩本の口からさらりと出てきた言葉に、思わず目が点になっていた。


間抜けな顔をした俺を見ながら、目の前の形の良い唇がニヤリと釣り上がる。


照「アクセサリーショップで見かけた時、ふっかに似合いそうだなって思って。それでつい買っちゃったんだよな」


辰「俺に.....？」


照「そう。だけど誕生日でもないのに同性にピアスをプレゼントするなんて変だろ？だからずっとしまってたんだよ」


表情も変えずに喋ってるけど、話してる内容はどう考えても口説き文句にしか聞こえない。


岩本の性格を知ってるから特別な意味がないのは分かるが、俺じゃなかったら普通に勘違いしてしまいそうだ。


辰「お前さ、ナチュラルにそんなこと言うなって」


照「本当のことだから仕方ねーじゃん」


辰「あのな〜。もし相手が女の子だったら、ふつーに勘違いされる発言だからな」


照「そういうもんか？」


辰「そういうもんなの。ちょっとは自覚しろよ」


硬派なくせに無自覚天然たらしなんて、俺の想い人はマジでタチが悪いーー。


本気で首を傾げる岩本を横目に見ながら、こっそりとため息を吐いた。

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