佐久間さんちは今日も幸せ6

＊苛立ちと困惑 ページ9

滝「こらこら、お前ら人んちで何いちゃついてるんだよ。俺がいること忘れてない？」


辰「な......っ、別にいちゃついてなんかないです！」


照「そうですよ、滝沢くん。このくらいのやり取り、うちじゃ普通っすから」


滝「そうなの？じゃあ岩本と深澤は普段からいちゃついてるってことじゃない」


滝沢くんにしては珍しく悪ノリ口調で、端正な口元に笑みを浮かべている。


アルコールが入っているせいか、いつもより口が滑らかになっているようだ。


照「やだな、止めてくださいよ〜(笑)俺らふつーに女の子が好きなんで」


辰「そっ、そうですよ…！変な誤解されたらどうするんですか」


何気ない一言がチクリと胸を刺したけど、わざと気付かない振りをして、あははと笑い飛ばした。


長い付き合いだから、彼が至ってノーマルな恋愛感覚なのは知っていたけど、こうしてはっきりと口に出されるのはやはりキツかった。










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辰「それより日付け変わる前にピアス開けちゃいますね」


滝「ああ、そうだったね。でもあと5分くらいしかないよ」


辰「全然問題ないっす！サクッと終わらせちゃいますから」


無造作に器具を掴んで耳朶にあてようとすると、伸ばされた腕にやんわりと阻まれてしまった。


照「待てよ、ふっか。先に消毒して冷やさないとダメだ。滝沢くん、保冷剤とかってありますか？」


滝「ちょっと待ってて。隣の部屋からマキロンと保冷剤持ってくるから」


滝沢くんが部屋から出て行くと、岩本が切れ長の瞳を細めて、少しだけ苛ついた表情で俺の方を振り返った。

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