佐久間さんちは今日も幸せ2

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思いがけない出来事のせいで、結局大学を出るのが少し遅れてしまった。


息を弾ませながら保育園に到着すると、ラウールが積み木をして遊んでいた。


亮「すみません…！遅くなりました！」


保「いえいえ、お仕事お疲れ様です。ラウちゃん、お迎えが来たわよ〜」


ラ「りょーちゃん！」


他の子は全員お迎えが来たみたいで、部屋の中にはラウと保育士さんの姿しか見えない。


亮平の姿を見つけると、嬉しそうにパタパタと走り寄ってきた。


亮「ごめんな、ラウ。遅くなっちゃって」


ラ「んーん。せんせーとあそんでたから、へいきだよ」


亮「そっか。お友達みんな帰っちゃって、1人で寂しくなかった？」


ラ「ひとりじゃないよ。さっきまでえんちょせんせもいた」


亮「え、相葉先生が？」


ラ「うん、ほら！」


ラウールが入口を指差すと、ちょうど相葉園長が部屋に入ってくるところだった。


相「おっ、阿部ちゃん、こんにちはー」


亮「相葉先生…！いつもラウールがお世話になってます」


相「毎日お仕事大変だねぇ。あ、最近康二を見ないけど、元気でやってる？」


亮「はい！学校とレッスンで毎日忙しそうですけど、元気にしてますよ」


ニコニコと笑顔の可愛らしい青年は、このお日さま保育園の園長先生だ。


元園長の息子の相葉先生は、数年前に引退した父親の跡を引き継いでいる。


まだ若いけれど立派に園を切り盛りしていて、保護者の方々はもちろん、子供達にも評判がいいみたい。


俺と大介とは直接の繋がりはないけれど、康二がこの保育園出身で、その縁もあって親しくさせて貰っていた。

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