・−緑sideー ページ33
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Aちゃんと別れて佐久間と合流すると、佐久間はニヤニヤしながらこっちを見てきた。
嫌な予感…
阿「なに?」
佐「いやぁ?Aちゃんと連絡先交換できてよかったね?」
阿「聞いてたのかよ…」
佐「で、どうだった?」
文脈が無いように聞こえるが、佐久間の言いたいのは多分…
阿「仕事用のスマホだったよ。てか佐久間、よく俺がAちゃんのファンだって気づいたよね」
佐「ん〜あれかな!オタクの勘ってやつ!」
阿「なにそれ」(笑)
Aちゃんは天音ちゃんより外交的で、人に好かれやすいけど、ガードが堅い。
自然に人との線引きをし、踏み込ませない。
それもこれもファンを思う完璧なアイドルであるから。
佐「あんなに世渡り上手で現役大学生ってのが信じらんないよね!」
阿「そうね〜…妙な貫禄がある」
佐「ちょっと天音ちゃんとも話したんだけど、天音ちゃんがAちゃんのことを『アイドルになるべくしてなった』って言ってたの、分かる気がする。アイドルになるきっかけは誰かのライブらしいけど、その人に感謝だよね〜!」
そう、これはWikipediaにも載るほど有名な話。
ある日突然友人のかわりにライブを見に行くことになったAちゃんはパフォーマンスを見て、『ステージの上の景色はどんなのだろう』という純粋な興味から芸能界に足を踏み入れた。
未だにAちゃんの推しは明らかにされてないし、推しバレすらさせない。
Aちゃんをアイドルにしたという肩書は、さぞ鼻が高いだろう。
阿「ほんと、誰なんだか」
佐「天音ちゃんが『共演したことあったはず』なんて言ってたけど、なんでそこであやふやに答えるのか分かんないんだよね〜」
阿「共演したことがある、ならだいぶ絞れそうじゃない?ライブしてる人なんて限られてそうだし」
佐「そうだね」
佐久間の言葉を最後にこの話題は一度終えた。
帰りの車の中で、Aちゃんが連絡していいか聞いたときに一瞬見せた戸惑いの様な表情を思い出しながら、家に着くまで俺は軽く目を閉じた。
あの表情は、何を考えていたんだろう。
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TOA_KUN37(プロフ) - ゆづさん» ご指定ありがとうございます!修正致しましたので、今後ともよろしくお願いします (3月30日 13時) (レス) id: bef50648a3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆづ(プロフ) - はじめまして。楽しく拝見させていただいているのですが、言葉の誤用が気になってしまうのでお知らせいたしますね。まれにみない→まれに見る、的を得る→的を射る、です。これからも素敵な作品期待しています。 (3月30日 10時) (レス) id: 054daa6dee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:斗亜 | 作成日時:2024年3月8日 23時